設立趣旨と目的

アジアは世界人口の約3分の2を抱え、急速な経済発展のもと、世界の政治経済や地球環境問題においてその重要性を高めています。しかし、アジアには政情の不安定さ、国・地域間格差の拡大、不十分な社会基盤や産業育成、急速な開発に伴う環境劣化等の諸問題があり、アジアの持続的な発展に向けては様々な課題が山積しています。日本はアジア経済の中核に位置して、その発展に大きな影響を及ぼしてきました。日本とアジアとの相互依存関係はかつてないほど高まっています。日本はアジアの持続的な発展に向けて積極的に取り組んでいく必要があります。

名城大学は、「総合化」「高度化」「国際化」を教育・研究の重点項目として掲げています。名城大学にはアジアから多くの留学生が学び、日本とアジアの持続可能な発展にむけた知見の蓄積と教育への還元は優先課題となっています。名城大学が立地する東海・中部地域は製造業を中心としてアジア進出が著しく、アジアとの強い経済関係がみられます。アジアの社会経済のダイナミズムや中部・東海地域との関係性を多面的に捉えるアジア研究にも高い期待が寄せられています。アジアの各地域は異なる歴史・文化を持ち、その価値観も多様です。グローバル化とともにリージョナル化が深化するなかで、アジアの多様性への理解を深め、多様性を対立ではなく地域全体の魅力・活力として高めていくことも求められています。平成18年4月、名城大学ではこれらの社会的要請に応えて、アジア研究拠点として名城大学アジア研究所を設置しました。その後、平成23年4月、名城大学アジア研究センターに名称を変更しました。(以下、アジア研究センター)

アジア研究センターは、アジア地域の理解とその持続可能な発展に貢献することを目的としています。アジア研究センターは、名城大学が有する社会科学、自然科学、工学、人文科学など総合的な学術シーズ・インフラを活用し、アジアに関心のある教員・留学生を含む学生および卒業生と国内外の研究者・研究機関とをネットワーク化し、学術・教育交流を通じてアジアの持続可能な発展に資する「知的創造のコア」としての機能を果たしていきます。


アジア研究センターの3つの方向性名城大学がもつ知的資源や国際的なネットワークを活用しつつ、アジアの持続可能な発展に資する知的創造のコアとして、国際社会、地域社会に貢献することを目的としています。

1.アジアの持続可能な発展に資する

アジアは近年目覚しく発展しつつありますが、社会経済格差、環境問題、国内紛争など様々な問題も抱えています。経済発展は環境負荷や資源収奪を一層高めています。アジア研究所では、リージョナルな国際協力・制度的枠組みを含めて、アジアの持続可能な発展とその方策について研究を進めていきます。

2.名古屋圏からアジアを考える、日本とアジアの相互理解を深める

名城大学が位置する名古屋圏は日本の製造業の中核地域であり、そのアジア進出にともない相互依存関係は深まりをみせています。投資・貿易を通じた国際経済の緊密化はアジア各国の社会や環境にも大きな影響を及ぼします。私たちは、経済、社会・文化、環境のバランスのとれた順循環的な発展と生活の質の向上をアジアと共に考えます。

3.名城大学の知的シーズからグローバル・ニッチなアジア研究拠点を目指す

総合大学である名城大学には、自然科学、社会科学、人文科学、総合学術など多面的な研究蓄積がなされています。学内の知的シーズや要素技術を活用し、アジアをフィールドとして応用展開し、国際的な学術・研究交流の拠点を形成していきます。


アジア研究センターの機能と活動アジア研究センターは、アジアに関心をもつ学内外の研究者に開かれた研究センターです。アジア研究センターは、名城大学のアジア研究を発展させる支援機能(プラットフォーム機能)を有し、国内外の研究機関とも連携しつつ研究活動を展開していきます。主な支援機能には、(1)研究助成、(2)研究成果の公開と情報発信、(3)国際学術交流などがあります。助成研究プロジェクトや外部研究資金等による研究プロジェクトは、それぞれアジア研究センター内に研究ユニットを形成し、その成果を研究セミナーの開催や、研究紀要等出版、あるいはホームページを通じて公開し、情報発信を行っていきます。また、アジア研究センターは、学生や一般市民を対象としたアジアの理解教育の場として役割も有しています。アジアに関する今日的なテーマを選び、シンポジウムやセミナーなどを定期的に開催します。