設立趣旨と目的

21世紀に入り、情報・通信技術の飛躍的な発展とネットワーク化を背景に、世界経済が急成長する一方、貧富の格差や環境問題など、今日の世界は多くの課題に直面しています。
名城大学ではこれまで成長著しいアジア地域を対象として、地域の理解とその持続的発展に資するべく、アジア研究センターが「知的創造のコア」として、アジア研究に携わる国内外の研究者との学術交流と研究の進展を推進してきました。
2026年に開学100周年を迎える名城大学は、これまでの「知の集積」を活かし、今後はより広範な地域へ対象を拡充しながら教育と研究を行う「知のプラットフォーム」として、愛知・日本を世界に発信し、世界各国・地域の発展と相互理解を進めていきます。

名城大学は、「総合化」「高度化」「国際化」を教育・研究の重点項目として掲げ、開学100周年を目標年とする「国際化計画2026」を推進しています。多くの留学生が学ぶ名城大学が立地する愛知・中部地域は、製造業を中心として世界の国・地域との強い経済関係がみられ、日本と世界の持続可能な発展にむけた知見の蓄積と教育への還元は優先課題となっています。世界各国の社会経済のダイナミズムや愛知・中部地域との関係性を多面的に捉える国際研究にも高い期待が寄せられています。世界の各地域は異なる歴史・文化を持ち、その価値観も多様です。グローバル化とともにリージョナル化が深化するなかで、多様性への理解を深め、多様性を対立ではなく地域全体の魅力・活力として高めていくことも求められています。
名城大学ではこれらの要請に応えるために、アジア研究センターを発展させる形で、2022年4月、国際的な教育・研究拠点として名城大学インターナショナル教育・研究センターを設置しました。(以下、インターナショナル教育・研究センター)

インターナショナル教育・研究センターは、主に交換留学生を対象とした日本語および日本学の教育と、世界各国・地域の理解とその持続可能な発展に貢献することを目的としています。インターナショナル教育・研究センターは、愛知・中部と日本の歴史や文化、経済などを広く海外に発信するとともに、名城大学が有する社会科学、自然科学、工学、人文科学など総合的な学術シーズ・インフラを活用し、国際分野に関心のある教員や留学生を含む学生および卒業生と国内外の研究者・研究機関をネットワーク化し、学術・教育交流を通じて世界各国の持続可能な発展に資する「知的創造のコア」としての機能を果たしていきます。




インターナショナル教育・研究センターの3つの方向性名城大学がもつ知的資源や国際的なネットワークを活用しつつ、世界各国・地域の持続可能な発展に資する知的創造のコアとして、国際社会、地域社会に貢献することを目的としています。

1.世界各国・地域の持続可能な発展に貢献する

21世紀に入り、世界の国々が目覚ましい発展を続ける一方で、同時に多くの国が社会経済格差、環境問題、国内紛争など様々な問題を抱え、その問題はますます多様化・複雑化しています。インターナショナル教育・研究センターでは、自然科学、社会科学、人文科学など多面的な研究の蓄積を誇る名城大学のシーズとネットワークを活かして、世界のすべての国・地域の持続可能な発展とその方策について研究を進めていきます。

2.日本と世界の相互理解を深める

名城大学が位置する愛知・中部は日本の製造業の中核地域であり、その世界進出にともない世界の国・地域との相互依存関係は深まりをみせています。投資・貿易を通じた国際経済の緊密化は世界各国の社会や環境にも大きな影響を及ぼします。私たちは、経済、社会・文化、環境のバランスのとれた順循環的な発展と生活の質の向上を世界の国々と共に考えます。

3.愛知・日本の魅力を世界に発信する

世界における日本の経済的地位・役割の高まりを受けて、近年、世界の多くの人々が日本の歴史や文化、芸術、企業などに興味・関心を持つようになっています。名城大学では毎年、多くの留学生や外国人研究者を受け入れており、その知見やネットワークを活用して、愛知と日本の魅力を世界に広く発信します。


インターナショナル教育・研究センターの機能と活動インターナショナル教育・研究センターは、中部圏最大の総合大学である名城大学の知的シーズとネットワークを活かして、国際的な「教育」と「研究」の推進を目的としています。
まず教育機能としては、主に交換留学生を対象とした幅広い日本語教育と、歴史・文化・芸術・経済など多様な日本学に関する専門科目を英語で開講します。
研究機能としては、国際分野に関心をもつ学内外の研究者に開かれた研究センターとして、名城大学の国際研究を発展させる支援機能(プラットフォーム機能)を有し、国内外の研究機関とも連携しつつ研究活動を展開していきます。主な支援機能には、(1)研究助成、(2)研究成果の公開と情報発信、(3)国際学術交流などがあります。助成研究プロジェクトや外部研究資金等による研究プロジェクトは、それぞれインターナショナル教育・研究センター内に研究ユニットを形成し、その成果を研究セミナーの開催や、研究紀要等の出版、あるいはホームページを通じて公開し、情報発信を行っていきます。また、インターナショナル教育・研究センターは、学生や一般市民を対象とした世界への理解教育の場としての役割も有しています。今日の国際的なテーマを選び、シンポジウムやセミナーなどを定期的に開催します。